2022年3月16日
袋帯について
前回はカジュアルな着物に合わせる名古屋帯についてご紹介しましたが
今まではフォーマルな式事で活躍する帯だった袋帯なのに、カジュアルシーンでも活躍する理由とは・・・?
万能な袋帯についてお話したいと思います。
帯結びの際、名古屋帯よりも袋帯の方が苦手という方も多いようですが、様々なシーンや活用の幅も広い帯なので、知識を学びながら、着付け技術を向上させていきましょう!
袋帯とは
袋帯は、明治時代以降に丸帯に代わり考案されたのが始まりで、現在ではポピュラーな礼装用の帯として広く知られています。
仕立てた際に両面が同じ生地で出来ており裏表のない丸帯と異なり、袋帯は表面に金銀糸や色糸を用いた織り文様がありますが、裏面は無地か地紋になっているのが多いのが特徴です。
最近では無地でなくとも、裏表の柄行が違うリバーシブルで楽しめるような両面袋帯もあります。
以前は袋状にして織られていたために袋帯と名付けられましたが、今は表と裏を別々に織り両端をかがり袋状にしたものが主流になっています。
また袋帯は他にも、長さに特徴があり、
帯幅は約8寸2分(約31センチ)と約30センチの名古屋帯とほぼ変わらないものの長さに関しては1丈1尺1寸(約420センチ)もあります。
約360センチである名古屋帯と比べると袋帯は一目瞭然の長さになるため、お家にある帯も長さで凡そ区別できますね!
自宅に帯があるものの、初心者の方ですとどの帯なのかよくわからないときは帯の長さや仕立て方をご覧ください♪
袋帯のTPO
また、今までの袋帯は一般的に結婚式、七五三、入学式などの格式高い式事で活躍する、金銀糸の華やかな柄行のものが多くありましたが。最近では金銀糸を控えめに用いたもので、色糸だけで模様を織り出した袋帯も多く見られ、おしゃれ感覚の個性的な柄からポイントの柄のものまで様々な種類があり、完全にフォーマルな場のみでなく幅広い用途で使用できる「洒落袋」など人気があります。
振袖や留袖、訪問着などの礼装用の着物を着用する際には、金銀糸を使用した礼装用袋帯を紬や小紋、色無地などの着物を着用する際には、洒落袋を、とシーンによって使い分けることが出来ます。
お太鼓は「二重太鼓」
帯の長さが短い名古屋帯はお太鼓部分が一重になるように締める「一重太鼓」が一般的でしたが、長さのある袋帯はお祝い事の際、「喜びが重なるように」という思いからお太鼓を二重に重ねて締めます。
成人式の振袖などには華やかなシーンでは二十太鼓ではなく「飾り結び」を結ぶこともできます。
また、式ごとに参加する際の帯結びや着付けは、普段自装される方でも「プロ」にお願いすることも多いようです。
着付け教室では、まずは名古屋帯を練習してから袋帯に進行することが多いですが、名古屋帯より長い袋帯を後ろで二重に締めるというだけで難しいと想像する方も多いようです。
最近では目の前で見えるように、お腹の前で結ぶ「前結び」という技術も応用され、自分に合った帯結びも受け入れられていますので、レッスンを通して技術習得を目指しましょう!
いち利着付け教室では、着物や帯の相談も出来ます!
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