2022年2月16日
名古屋帯について
日常生活のなかでフォーマルな袋帯を着用する機会はなかなかないかと思いますが、
カジュアルな着物に名古屋帯が活躍する機会の方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は帯の中でもなにかと出番の多い名古屋帯についてご紹介したいと思います。
名古屋帯とは
名古屋帯には八寸名古屋帯、九寸名古屋帯と二種類あるのですが、店頭に並んでいる仕立て前の状態はどちらも丸巻になっているものの、帯幅に違いがあるため比較的見分けやすいのが特徴です。
八寸名古屋帯と九寸名古屋帯の帯幅と帯芯について
仕立て上がりの状態での八寸名古屋帯と九寸名古屋帯の長さ自体は、どちらも9尺5寸(約360センチ)なのですが、八寸名古屋帯は、仕立て前も仕立て後も帯幅は8寸(約30センチ)の長さであるのに対して、九寸名古屋帯は、仕立て前の帯幅が9寸(約34cm)あります。
仕立てる際に生地の両端を少し折り裏地をつけて仕上げるため、九寸名古屋帯も仕立て上がりは8寸(約30センチ)に近い幅の帯になります。
また九寸名古屋帯には中に帯芯を入れるのに対し、八寸名古屋帯は地厚な織り方で生地がしっかりしているため帯芯は入れないといった特徴があります。
名古屋帯のTPO
また名古屋帯はTPOとして主に「小紋」や「紬」、もっとカジュアルダウンして「木綿」でも合わせることができ、カジュアルシーンやお茶会で幅広く活躍する万能的な帯です。
九寸名古屋帯には、様々な白生地に柄を染めた染めの九寸名古屋、また西陣織などの織りの九寸名古屋があります。帯は基本的に「染め」より「織り」のものが格上とされ、織りで有職文様・吉祥文様などの方がやや格が高くなりますので、お茶席やお稽古などのきちんとしたお席では織りの九寸名古屋を締めるのがよいでしょう。
八寸名古屋帯は裏地がなく九寸名古屋帯よりも格下となるため、よりカジュアルな場面で使用します。八寸名古屋帯は普段着やお洒落着として非常に合わせやすく、お稽古や友人との食事会、お出かけなどのカジュアルなシーンでは小紋、御召、紬、木綿着物に合わせるとよいでしょう。
お太鼓は「一重太鼓」
袋帯と比べて簡略化され、帯の長さが短いため、名古屋帯の結び方としてはお太鼓部分が一重になるように締める「一重太鼓」が一般的です。
一重太鼓は、主に小紋や紬などの普段着を着用する際によく結ばれる締め方になります。
長さのある袋帯は結婚式などのお祝い事の際、「喜びが重なるように」という思いからお太鼓を二重に重ねて結ぶのに対して、一重太鼓は「不幸や悲しみを重ねない」という意味から葬儀などのお悔み事や弔事の際にも締められる結び方になります。
おうちにある帯は名古屋帯?
自宅に帯があるものの、初心者の方ですとどの帯なのかよくわからないですよね?
そこで名古屋帯の特徴について下にまとめてみました。
自宅の帯の長さや仕立て方が同じかどうか確かめてみてください♪
袋帯よりも扱いやすく、仕立てや素材、柄によってさまざまなシーンで活用できる使い勝手のよさが名古屋帯の魅力でしょう。
八寸名古屋帯の特徴
長さ:約360センチ
帯幅:約30センチ
帯芯:なし
仕立て上がった形:松葉仕立て
※松葉仕立て・・・八寸名古屋帯の一番一般的な仕立て方です。手先より約4寸を半分に折り、縫い合わせます。手先が縫われていると着付けている間に半分に折った部分がずれず締め易いです。また胴回りを好みの幅に折って締めることが出来ます。
九寸名古屋帯の特徴
長さ:約360センチ
帯幅:30センチ以上
帯芯:あり(裏地あり)
仕立て上がった形:名古屋仕立て
※名古屋仕立て・・・九寸名古屋帯では一番一般的な仕立て方です。手先から胴回り(太鼓上)まで半分に折り仕立てます。
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