2021年12月16日
冬場のコートについて
冬本番の寒さになってまいりましたが、皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか?
寒さも厳しくなってくると、コートやジャケットといったアウターをお召しになるかと思います。
和装にも洋服のアウターにあたる和装コートというものがございます。
今回は冬場特に大活躍するコートにスポットをあてて、お伝えしていきたいと思います。
そもそもなぜコートを着るのか?
まずはコートの役割についてご紹介します。
コートには防寒としての機能がありますが、それ以外にも
大切な着物や帯をほこりや塵などの汚れから守り、何かに引っかかり傷ついてしまうのを防いでくれる役割があります。
そのため今回冬の着物ライフで欠かせない存在としてコートを特集しておりますが、コートは、冬場のみ着用するわけでなく、生地感に応じて年中お召しになることのできる優れものなのです!
コートは長さが決まっておらず、身丈の短いものから長いものまであり、用途や季節によって長さを調整することができます。冬の時期に着用される場合は、お尻や足元まで温めてくれる身丈の長いものがおすすめです。
またコートは機能面のみのメリットだけでなく、コートの下から見える着物の色味や柄とのコーディネートを楽しめ、表現の幅を増やすことができるのも特徴です。
同じくお洒落の観点からいうと、着物の裏地では白い胴裏を付けますが、コート裏地では色や柄を選ぶ楽しみもあります。例えばコートを脱いで裏地がちらっと見えた時に少し話題になったりするのもコートのあるあるです。コーディネートがより楽しめるポイントでもあるかと思います♪
和装コートの種類について
コートは代表的な3つの仕立て型がありまして、衿元の形や素材によって着用されるシーンにも違いがあります。コートをお作りになるうえで、参考にしていただければと思います。
道行
衿元が四角く切り抜かれた形をしており、中に着ている着物の衿が見えるようになっています。無地や無地に近い場合は、きものが第一礼装から着られるフォーマル用になりますが、小紋柄や紬地の道行はカジュアル用になります。外着のため室内では着用せず、玄関先で脱ぎます。
道中着
衿の形が着物に似た合わせになっており、右前で紐を結ぶ形になっています。
略礼装から普段着まで幅広く着ることができます。ただし、小紋柄や紬地の道中着はカジュアル向けになります。道行と同じく、玄関先で脱ぐ必要があります。
羽織
道行や道中着と異なり、前開きの状態でお召しになります。
羽織は洋服でいうカーディガンのような見た目で、室内でも着用することができます。
またカジュアル向けの着用になり、チラ見する裏地を楽しめます。
どんなコートをつくったらいい?
とはいえ、初めて着物のコートをつくられる方は、どのようなコートをつくればいいのか戸惑うのではないでしょうか?
まずは、型は道行でも道中着でもお好みで、正絹のコートを一枚おつくりになることをおすすめします!
道行はフォーマルといわれることもありますが、コートの格はまず生地で決まります。道行でも紬や木綿であればカジュアル用となるため、最初はフォーマルにもカジュアルにも使えるようなボカシや上品な柄行のやわらかもの(縮緬、綸子、羽二重、お召等)が良いかと思います。
羽織は例えればカーディガンのため、訪問着など礼装には向きません。もちろん素敵な絵羽織で着姿がお洒落になり程よく格が上がる効果はありますが、古典柄の絵羽織だとしても金が入っていなければカジュアルになります。
しかし前開きの羽織は着物や帯を見せられ3つのコーディネートを楽しめ、アクセサリーのような羽織紐を見せることができるためカジュアルにお洒落を楽しみたい方にはおすすめのコートです。
趣味的なアイテムとして上手に着こなしたいですね。
お洒落をする機会も多く、コートのコーディネートまで満喫できるのがこれから春までの着物シーズンです。夏と違い、工夫次第で快適に過ごせるのも冬の嬉しいところ。ぜひこの季節ならではの着物ライフを楽しんでくださいね。
いち利着付け教室では、着付けだけでなく着物やコートのコーディネートや、コートの着方も学べます。
コートは人前で脱ぎ着するかと思います。そんなとき羽織り方、脱ぎ方がスマートだととても素敵に見えると思いませんか?
綺麗に脱ぎ着できると所作が美しく見えるだけでなく、着崩れも抑えることがでます。そんな脱ぎ着のコツもいち利では着付けと一緒にお教え致します♪
ただ今冬の生徒さん募集中です。
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